凄すぎます!「星野源のおんがくこうろん」
「星野源のおんがくこうろん」を見た。2月半ばからNHK Eテレで4回に渡り放送中の30分番組だ。毎回、一人のミュージシャンにフォーカスし、その人の経歴や音楽との向き合い方などを解説員であるパペットが分かりやすく教えてくれる。
これが、すごい!!何がすごいって。取り上げられる人たちが、毎回「全然知らない人」ばかりなのだ。
子供の頃のことをふと思い出す。自分は全然知らない人なのに、妙に親しげに話しかけてくる大人。
「うたちゃんは、なかなかママから離れない子だったんだよ。それで、チョコレート買ってあげるからって誘うと、その時ばかりはすぐについてきてねえ(笑)」などと、いかにも私がやりそうなエピソードを話す。
子どもにもわかる。母親の嬉しそうで安心しきった表情。自分に向けられる「知らない人」からの温かな眼差し。自分は知らない人だけど、きっと、自分たちと大切なつながりのあった人なのだろうと。
うん。そんな感じ。
「星野源のおんがくこうろん」でピックアップされるミュージシャン達は、そんな方々です(笑)
新たなプラグが繋がっていくワクワク感がたまらない
この番組、放送は来週最終回を残すのみだ。仕事が忙しく、録画した過去の放送をこれから見る人もいるだろうと考えると、まだ詳しい内容に触れる気持ちになれない。音楽が好きな同士に感動してほしいから。
これまでの放送で取り上げられたミュージシャンは、第1回が「J・ディラ」2回が「ジョージ・ガーシュウィン」3回が「アリー・ウィリス」
3回目の放送の終盤、最終回のミュージシャンの紹介に期待が膨らむ。。発表されるのは、きっと知らない海の向こうの誰かに違いない(笑)
最終回のテーマに選ばれたのは
「中村八大」だ。驚きと共に溢れる喜び。「上を向いて歩こう」の作曲家という認識しかないけれど
子どもの頃、歌詞の意味がわからない洋楽が好きで、眠れない夜、ずっとずっと聞いていた。ラジオから流れてくる音楽、気に入ったものをテープに録音して聴く。曲の途中から録音するので、題名も歌い手もわからない。R&B、ゴスペル、ソウル、そしてジャズ。
自分が聞いていた音楽がどのジャンルに当てはまるのかさえ、よく分からない。そして、こんな時間に起きていることがバレたらどうしようという自分の鼓動と音楽のビートは、よくマッチした(笑)
心に大きなものを抱えてしまった時、意味のわからない言葉で作られた音楽は、考える事なく聴けるので好都合だった。そこにプラグを繋げば、日常を忘れ、見たこともない世界に触れ、希望を持つ事ができた。
今活躍している多くのミュージシャン達も、たくさんの音楽から刺激を受け、力をもらい、今に繋がっているのだろう。
そして、この番組で過去3回にわたって取り上げられたミュージシャン達は、自分が繋がってきた多くの音楽に多大なる影響を与えてきたであろう人たちだった。
最終回は、自分の国の音楽家。理解できる言葉で作られる音楽。その人物像や曲が生まれる背景も理解しやすいはずだ。
作曲家の心理に想いを寄せ、光の中に影を見たり、影の中に光を見るようなコメントが出たりするこの番組。どんな切り口で、中村八大さんを取り上げるのだろう。
「星野源のおんがくこうろん」最終回、とても楽しみだ。