最終回は「中村八大」
「星野源の音楽こうろん」最終回を見た。毎回、一人のミュージシャンに焦点を当て、その経歴や音楽との向き合い方などを解説してくれるこの番組。
これまでの放送で取り上げられたミュージシャンは、第1回が「J・ディラ」2回が「ジョージ・ガーシュウィン」3回が「アリー・ウィリス」と来て、最終回に日本人の「中村八大」が来た。
「中村八大」という名前は知っているものの、その印象は「上を向いて歩こう」を作曲された方という印象しかなかった。
世代が一つ上なのだ。何よりも、子供の頃から洋楽に憧れが強かったため、日本のスタンダードを作った方に興味を持つ機会がなかった。しかし!この番組で取り上げられるのには、何か理由があるはずだ。と、過去3回の放送を見て確信し、最終回をとても楽しみにしていた。
さあ、どんな物語が始まるのか。。
音楽のプラグは、縦横無尽に繋がっていく。
知らなかった。。
中村八大さん、日本のスタンダードナンバーを作るに至るまでの経歴が、「ジャズピアニスト」だったとは。しかもかなりの腕前だったとも。言葉も話せないまま単身アメリカに乗り込み、ストリートでジャズセッションまでしていたと言うのだから、驚きだ。
この中村八大も「ジョージ・ガーシュウィン(第2回放送)」に多大な影響を受け、中でも「アメリカ交響曲」に夢中になったという。
番組では、八大が幼少期からピアノに親しみ、戦後、進駐軍の影響でジャズに目覚め、ジャズピアニストとして活躍していた頃の貴重な映像も見ることが出来た。八大が弾いた「バードランドの子守唄」も聴くことが出来て、見事な演奏に驚いた。
その後、永六輔などとの出会いがあり、日本の音楽シーンを牽引していく様子が解説されるが、このあたりからは、自分の中の「中村八大」のイメージと重なり始めた。
それでも、やはり知らなかった!八大の音楽にはごく自然に海外の音楽のテイスト、リズムが組み込まれていたようだ。
子供の頃から親しんできた八大作曲の「笑点のテーマ」は、ニューオリンズ発祥の「セカンド・ライン」というリズムでできており、星野源の「ドラえもん」のイントロ部分は、この笑点のテーマにインスパイアされているとの本人談。
「ドラえもん」を聴いた現代の子どもたちは、星野源を通して、中村八大の「セカンド・ライン」のリズムを耳にしているのだ。
一人の作曲家が作り上げた音やリズムが、それを聴いた誰かの心の中で響き、次へ次へとそのプラグを繋げていく。
「上を向いて歩こう」と言う曲が、海を渡り「SUKIYAKI」という名前で海外でたくさんのミュージシャンに「リメイク」されている事は何となく知っていた。
しかし、あまりにもメジャーな「日本の歌」が実際に海外でどのように受け入れられたのか、具体的にイメージできないでいた。
放送の中では、様々なミュージシャンによって作られた「SUKIYAKI」を聴くことが出来た。どれも曲のテイストは残しつつ、自由な解釈で彩り豊かに表現されていて、とても楽しい。
「ジャズ」や「ガーシュウィン」に影響を受けた八大の「ジャパニーズスタンダードナンバー」が、今度は海を渡り、海外のミュージシャンにアレンジされ、愛されている。
「SUKIYAKI」は、もはや立派なスタンダードナンバーとして海外の人々にとっても「慣れ親しんだ曲」になっているという。
何だか、誇らしい気持ちになる。
番組で曲が流れる度に、何度も曲に合わせて体を揺らし、歌を口ずさんだ。見れば出演者たちももれなく揺れている(笑)「星野源の音楽こうろん」は、「本当に本当に音楽の好きな人」たちが作った番組なのだろう。テレビの向こうの出演者たちと「音楽を楽しむ時間を共有」できたようで、嬉しかった。
この番組を見て、改めて音楽の魅力を味わい、自分が音楽に最も触れていた多感な時期にタイムスリップした様な、不思議な感覚も味わえた。何とも言えない心地よさだ。
素敵な時間をありがとう!
願わくば、忘れた頃にまたやってくるような、そんな番組になって欲しい。おかわり宜しくお願いします!!(笑)
第1回〜3回放送の感想↓音楽好きな同士に見てもらえたら嬉しいです♪
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